「リーンブランディング」をよんだ

  • 恒例のリーンシリーズのブランディングver。長期的に構築されていく不変的なブランドではなく、ちいさく検証して学習しながらブランド構築するとはどういうことかが気になって読んでみた。
  • まずブランディングとは
    • 「現在の自分」と「なりたい自分」のギャップをうめるための近道を提供すること
    • A地点から理想のB地点への架け橋
    • 他のブランド論では、「良い記憶、らしさの記憶」などの定義がされていることが多いが、おそらく前提としてなりたい自分に近づけるかどうか、という基準があって、そこに対していいかどうかで記憶に残るかどうか、という流れだろう。
  • リーンブランディングとは
    • ユーザーのうつろいゆく欲求やニーズ、「なりたい自分のイメージ」に対して、それを対話を通して学びつづけ、適応させながら支援するために変化していく仮説検証サイクルを通したブランディング手法
  • 3要素:独自のブランドストーリー・ブランドのシンボル・ブランド戦略
    • ユーザーが想起するユニークなストーリー
      • サービスをユーザーの個人的なストーリーや特定のパーソナリティ、問題の解決を約束するもの、競合に対するポジショニングを紐付ける
    • そのストーリーをシンボルを通して可視化し、戦略的にタッチポイント毎に適切なメッセージを伝えていく
  • ブランドストーリーの構築
    • 構築してきたポジショニング・UVP・ペルソナ、パーソナリティを投稿して1つのストーリーに落とす
    • ストーリーボードというフレームワークを使う。
  • また、総体的なブランドは、ユーザーがなりたい自分に近づくための架け橋として「記憶」に残り、その記憶はあらゆるタッチポイントでのコミュニケーションを通じて更新され続ける。ゆえに、ブランドを要素分解してその要素ごとに仮説検証をする、というのが主旨かな、と感じた。
  • 以下、主に個別の要素に対する検証の方法で役に立ちそうなものを覚え書き。
  • ポジショニングの検証
    • 形容詞をリストアップして、それぞれがどのくらいブランドに当てはまっているかを5段階評価することで、ユーザーのブランドに対するパーセプション(認識)を調査できる。
    • 競合と比較することで、ポジショニングの仮説の検証や、新たな軸の発見にもつながりそうだなと感じた。
  • ブランド要素の仮説検証
    • ブランドの要素(ロゴやSEO、LP、オウンドメディアなど)に対して仮説を明文化する
      • 「○○」のコンテンツを公開すればユーザーがクリックするはずだ
      • 「Facebook」は新規獲得のチャネルとして適切だ
    • Javelin Boardなど、仮説の前提を洗い出すという意味では同じ思考様式で対応できる
  • ブランド名の検証
    • 中心にブランド名が記載された紙を渡して、その隣にマインドマップ的に連想した言葉を全て書き出してもらう
    • 既存サービスがどのように認知されているのかや、UVPをどう受け止めているかの検証にも使えそう
  • UVPの検証
    • 1.紙にUVPを記載する
    • 2.5秒間だけ呈示する
    • 3.最も記憶に残った部分や興味があるかなどを問いかける
    • 5秒間という、短い時間できちんと興味をひけるのか、興味を持ってもらえたとしたらどういう部分にか、どういう印象を言葉から受けたか、などを聞くことで学びを得られそう。
  • 機能や要素の妥当性の検証
    • 狩野分析法を利用。充足質問「属性Xが存在する場合、どのように感じますか?」と未充足質問「属性Xが存在しなかった場合、どのように感じますか?」を聞いて、5段階評価をする。
    • そこから魅力的品質・当たり前品質〜などにカテゴライズ。

ブランド論を深く学ぶ、という観点ではそこまで深い知見は得られないが、サービス設計の文脈のまま、仮説検証の知見を上手く取り入れる、という示唆が得られる1冊。

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masafumi.kawachi

STANDARD デザイナー。最近よく読む書籍の分野は組織/チーム論、ファシリテーション、データ分析など。好きな漫画はダイヤのAと東京喰種。しばしば着ている服をいじられます。