「マイケル・ポーターの競争戦略」をよんだ

  • ポーターのいう戦略とは、経営戦略ではなく競争戦略。いかに競争環境にある組織が高い利益を出していくのかを説明するもの
    • 戦略的競争とは他社と異なる道筋を選ぶことを言う
  • ミッションによって最高の定義は変わってくるために唯一最善を目指す競争は互いに食いつぶすだけゆえ、「独自性」を目指して競争することが前提のスタンス
    • みずからの選んだ顧客のために一層大きな価値を生むことにフォーカスを置くべき
    • 他社を打ち負かすのではなく価値のために利益を創出するという考え方
  • 差別化とは、割高な価格の要求や突出した利益を構築できる能力。下記の2つの関係性を自社に有利になるように築くような戦略にする必要がある
    • 相対的コスト:何らかの方法で競合より低いコストでサービスを開発
    • 相対的価格:何らかの方法で競合より高い価格でサービスを提供
  • バリューチェーンは価値創出までの活動の集合体
    • 1.一般的なサービス/業界のバリューチェーンを洗い出す。業化固有の主要な活動を把握する。
    • 2.自社と比較する
    • 3.差別化の鍵を握る活動に注目/コストに占める割合が高い活動に注目
    • 4.それぞれの活動を把握したら、その活動を分解していきボトルネックおよびドライバーを特定
  • 価値は組織のスキルや能力ではなくて組織の実際に行われている活動から生じる、これが競争優位となる
    • これは実際の価値を提供するまでのプロセスと活動をフロント/バックで洗い出すサービスブループリント的なアプローチに似ていると感じる
  • いかにUVPが優れていても、特別に調整されたバリューチェーンがなければ持続可能な競争優位は生み出されない
    • UVP:顧客再度に目を向ける
    • バリューチェーン:企業内に目を向ける
    • 戦略:これらを1つに統合する

戦略の条件

  • 1.UVPが他社と異なること。同じ顧客の同じニーズを満たす企業に戦略はない
  • 2.特別なバリューチェーンがある。競合と異なる活動を行うか、同じ活動を異なる方法で行うか。
  • 3.トレードオフを設ける。価値を際立たせない活動は一切やらない
  • 4.適合性がある。それぞれの活動が相互依存的になっており、価値を高めるのにつながっている。
    • 一貫性があり、その活動を行うことで他の活動を行わずに済んだり、という相互作用がある。
    • 価値とその価値を生み出すための活動を構造化して図式化するとよい。
    • この連鎖が、模倣を困難にする。単一の活動を模倣されても、全体の構造を模倣することは難しいので優位が保てる
    • 逆に、価値創出のための特別な活動以外であればアウトソースで効率化を測る手もある
  • 5.継続性。継続することで、よりそれぞれの活動の結びつきが強くなるかつ、戦略は活動により実現されるとなると社員が対応できなくなるため容易な変更は行わない
    • ただ、最初から全て計画の上で計画するのではなく、根本を据えた上で戦略は仮説として割り切って常に変化とともに調整していくことは大事。
    • しかしそれは柔軟性が大事だから戦略は必要ないという議論にはならない。戦略がなければ全て重要になってしまうので意思決定もできなくなるし、結果として価値がぶれる
    • 不確実な環境では自分たちも何が重要なキードライバーになるのか最初から分からないことも多いので続けることが大事。

ポーターさん1問1答

  • 独自の価値とその実現過程にある独自の活動を統合することが重要だが、よくある失敗が事業の定義と範囲を間違えること
    • 地理的な範囲であったり、狭くとりすぎて代替手段が漏れていたりすると、それらに対しての独立的なバリューチェーンが築けない
  • ビジネスモデルと戦略の違い
    • ビジネスモデル:自社の収益とコストの関係にフォーカス
    • 戦略はどうやって利益を上げるかを超えて、どう競合他社をうまり収益をあげるか、その優位を長期間持続させるためにどうすればいいかを考える
  • 戦略立案の際の問い。戦略立案では、経営陣全員を巻き込んで下記を考え決定していく
    • 我々の顧客は誰か?どの顧客に対応するのか?
    • 解決するべき彼らの問題やニーズはなにか?
    • どのように解決するのか?
    • 競合はだれか?
    • どんな独自の価値があるのか?
    • どのためにどのようなバリュー・チェーンを構築するのか?
    • どこにトレードオフが存在していて何をやらないか?
  • 戦略が浸透している組織では、社員が価値創出のために何をすることが大事で何を棄てるかを理解し、単独でも決定できるようになる
    • 浸透させるために、常に問いを投げかけて考えさせ思い出させる。「企業として何を目指すのか?」「独自の価値はなんなのか?」

その他所感

  • 持続可能な優位性は、単に提供価値だけではなく活動にあるというのがミソだなと感じる。メルカリが愚直に改善していった、というのを優位性と説いている記事もあったがまさにこういうことかと。
  • デジタルなサービスだとバリュー・チェーンとして本書に乗っているように捉えづらいが、ブループリントとして提供するまでの流れを可視化することで理解が進みそう
  • 本書を読んでからストーリーとしての競争戦略を読むと一層、活動の連鎖やシステム的な考え方が必要だという部分が深められると思う
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STANDARD デザイナー。最近よく読む書籍の分野は組織/チーム論、ファシリテーション、データ分析など。好きな漫画はダイヤのAと東京喰種。しばしば着ている服をいじられます。