2016.9.14 / Business

新規事業の立ち上げ時にミッションを決める大切さ

Kenichi Suzuki

三菱UFJリサーチ&コンサルティングの調査によると、2社に1社は過去10年間において新事業展開の検討または立ち上げをしたことがあると言われています。

年末が近づいてきましたね。来年度に向けて、新たな事業戦略等が発表され、初めて新規事業のリーダーを任されることになったり、イノベーションや事業構想の方法を学習しながら企画を進められている方も少なくないのではないでしょうか?

新規事業スタート時の難しさ

既に知識が豊富な既存事業での業務とは異なり、新規事業の立ち上げ時には、新しい知識や発想方法、業務プロセスが求められます。
別の部署とのコミュニケーションやチームのマネジメントも必要になってきたり、新規事業のプロジェクトを首尾よく進めるためには多くの課題が存在しているように感じます。

更に、プロジェクトによっては、「◯◯事業に新規参入する」「◯◯億円の市場を目指せるポテンシャルのある分野で新規事業を開始する」というような方針が経営層によるトップダウンで決定されることも。その制約条件下で精鋭チームが編成され、事業構想を求められることもあるのではないでしょうか。

創業者の強い意思によって結成されたスタートアップのような少人数の組織に比べ、大企業における新規事業のプロジェクトは、関わるチームメンバーも、連携や調整が必要なステークホルダーも多く、全体の取りまとめを行うリーダーの負荷はとても高いものになるように感じています。

そのような状況を打開するために、新規事業などのプロジェクトにおいても「ミッション」をいち早く定義することで、プロジェクト発足時における団結と前進を促すことができるのではないか?と考えています。


ミッションとは何か?

企業戦略における「ミッション」については文献毎に様々な定義がありますが、STANDARDではミッションを「その企業が存在する目的」と定義しています。

これは企業におけるミッションの定義ですが、プロジェクトにおけるチームに対してもこの定義を「そのプロジェクトが存在する目的」と言い換えることが出来ると考えています。

目的というのは、前述のように「◯◯事業に新規参入する」「◯◯億円の市場を目指せるポテンシャルのある分野で新規事業を開始する」というようなものとされる場合もあります。しかし多くの場合、それは目的ではなく手段や望ましい結果であることが多いのではないでしょうか。

そもそも、そのプロジェクトがなぜ発足することになったのか?企業経営上どのような経緯や意義があり、新規事業を立ち上げなければならないのか?という部分まで遡ることによって、プロジェクト本来の目的を見つけ出すことが出来ます。

良いミッションとは?

良いミッションは、プロジェクトが企業や社会に対して与えるポジティブな影響が言語化されているため、参画するメンバーやステークホルダーの共感や動機付けのもとになり、途中で躓いたり意思決定に迷いが出た際でも立ち戻れる場所として機能します。

ミッションが存在していない場合、プロジェクトに参画する理由や動機は人によって大きな差が出てくるように感じます。例えば参入する市場選択の際に、市場の収益性のみで意思決定してしまい、収益の見込みは立てられるがメンバーを強く動機づけられない、と言うような状態になることも考えられます。

しかし、ミッションが定義/周知されていることで、チーム内でプロジェクトの目的に対する共通認識を持つことができ、チームに参画し続けてもらう動機にも繋げることができるため、意思決定のスピードが上がり、試行錯誤の回数が増えることで、結果として成功確率が上がることに繋がるのではないでしょうか。

ミッションを定義する

ではミッションをどのように定義していけばよいでしょうか。
ここでは以下のような問いに答えていくことで、ミッションの輪郭を明らかにします。

  • 我々はなぜここにいるのか?
  • 他の会社がこのようになったら悔しいと思う状態は?
  • 自分だけでは解決できない社会の大きな課題は?
  • このプロジェクトがある理由、背景は何だと思うか?
  • このプロジェクトに参画しているメンバー全員の目標、ゴールは何か?
  • 自分はどんな理由、背景でプロジェクトに参画しているのか?
  • 自分にとってこのプロジェクトでの目標、ゴールは何か?

STANDARDでは、これらの問いに対する答えを個人ワークで発散、グループワークで収束、収斂していき、最終的に以下のようなミッションを定義しました。


私達のミッション

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「未来の豊かさにつながる仕組みをデザインする」

私たちは、人の役に立つ事業・ビジネス・サービスを増やすことが未来の豊かさにつながると考えています。
なぜなら、現在の私達にとって当たり前の環境や生活が存在しているのは、今までに多くの人が、当時から見た「未来の豊かさ」を作るための取り組みを続けてきてくれたからこそだと思っているからです。

もし、過去の行動の積み重ねが「今の豊かさ」を形作っているのであれば、今ここにいる自分たちの行動の積み重ねを通して「未来の豊かさ」につなげることは、私達が働き、生きていく上での一つの責任なのではないかと感じています。

未来につなげるということは、長い時間続いていく仕組みが必要です。私たちはこの仕組みをデザインし、存続させ続けることが、デザインに課せられた役割なのではないかと考えています。


各自がミッションを追求するために必要な事を考え、行動する組織へ

STANDARDでは、定義したミッションがなぜ重要なのか?という問いに対して各メンバーが自分なりの答えを導き出しています。以下では、私達にとってこのミッションを追求することがなぜ重要なのか?をメンバーそれぞれの視点で紹介します。

受託という形態である以上、自分たちが直接的に豊かさを提供することはできないかもしれません。
それでも、自分たちが信じる豊かな未来に挑戦している会社があり、それに本当に共感することができたなら、今までの経験を元に最大限の支援させて頂くことが、私達にできる間接的な社会への貢献になると考えています。
そしてプロジェクト中のみではなく、いつかはプロジェクトから離れることを常に前提として考え、STANDARDがプロジェクトから離れてもまわる仕組みをデザインすることが、未来の豊かさに繋がるのではないかと思います。

― 鈴木 智大

未来の豊かさとは、常に不確実な存在です。そもそも豊かさの定義というのも、人や環境が違えば変わりますし、ただ一つの答えはありません。それを認識し、顕在化、現実化するには、そこに至る経路を見出すことに時間と思考を使う必要があると考えています。
そのための方法は様々ですし、人ひとりに用意されている時間や範囲というのも限られています。それらを越えるために仕組みという概念を用いることで、より広くより長く、多くの人に、未来の豊かさという曖昧な存在を認識してもらうことができるのではないでしょうか。

― 吉竹 遼

“豊かさ”とは何か? 豊かさとは、刻一刻と移り変わっていく価値観と共に常に描かれ直される理想の未来像なのかもしれません。
私は、”未来の豊かさ”を理想主義者による未来像の提案だと考えています。
理想主義者たちは、既存の解決策を拒否し、疑問を投げかけ、根源的な問題を探索し、卓越した価値を持った解決策を提げて現れ、市場をガラリと変えてしまいます。そんな急激な変化の中で、理想主義者の提案する荒削りで真新しい未来の価値を正しく伝える仕組みを作り、浸透させていく役割が私たちのデザインなのではないかと考えています。
破壊的な現象として畏怖される「稲妻」が本来は稲の実りを予感させる信仰の対象であったように、創造的破壊もまた未来の豊かさを予感させるものとしてデザインできれば本望です。

― 古賀 彬

デザインは常に人と共にあり、社会の発展を支えてきました。そしてこれからもそうあり続けるのだと思います。特にわたし達が日々関わるインターネットは、非常に人間への影響度が高いものです。人の人生を良い方向にも悪い方向にも影響を与えることが可能だと思います。そのため、少しでも今のわたし達ができることを、未来に何かしらの豊かさに還元していくことが重要なのではないかと考えています。たとえ価値を生み出したとしても、それに持続性がなければ、価値が根付いて社会に浸透し、豊かさにつながる前に途絶えてしまいます。だからこそ価値を持続できることが必要です。クライアントさんと共に仕事をするわたし達にとっては、仕組みをデザインすることで価値を提供し続けられる環境を生み出していくことが、豊かさにつながる道なのではないかと思います。
― 川地 真史

「豊かさ」と言われても、人によりその意味は様々かもしれません。

ですが、人の役に立つ事業やビジネス、サービスのアイデアやビジョンを携えた方と共に考え、仕組みをデザインし、世の中に送り出すことを支えることが、未来の豊かさにつなげるために必要だと私達は信じています。

私達は「未来の豊かさにつながる仕組みをデザインする」というミッションを元に、人の役に立つ事業やビジネス、サービスの創出や改善をデザインの力で支援し続けます。

新規事業立ち上げを加速させるミッションの明確化をサポートします

STANDARDでは、プロジェクトキックオフ時のチームビルディングなどを通じて、新規事業におけるミッションを明らかにするワークショップを実施しています。

既に企画開発がスタートしているプロジェクトにおいても、1DAYワークショップのような形式での実施を通じてプロジェクトのミッションを明らかにし、チームメンバー間での共通認識を得ていくような取り組みをご提供することが可能です。新規事業立ち上げ時のワークショップ実施に興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。

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