2014.8.27 / UI

デバイスのアクセス許可を求めるUI

Tomohiro Suzuki

あなたのアプリケーションではユーザーにいくつの許可を求めていますか?例えばiOSの写真アプリケーションであれば、「カメラロール」「カメラ」などの許可を求めるポップオーバーが初回起動時に表示され、ユーザーはそれぞれを許可する必要があります。
もしここでユーザーが「カメラ」の許可をしなかった場合には、まず写真を撮影すること自体ができなくなります(仕様にもよりますが一応シャッターを切ることはできても、真っ暗な写真になります)。ここでようやくユーザーはおかしいと気づくことになりますが、どのようにこの状態を改善すれば良いのかわかっていることは少ないでしょう。
ヘルプなどの項目に書かれている場合もありますが、設定 → プライバシー → カメラ → アプリ名を探してトグルをオンにするという複雑なタスクを行わなければいけません。しかし、そもそもヘルプにさえ辿り着けなければアプリがおかしいと感じ、星1の評価がついてしまうかもしれません。
では、どのようにすればユーザーは最初の段階で許可をしてくれるのでしょうか。まだあまり実践している例は少ないのですが、実際のアプリケーションを例に紹介していきます。

どのような状況で許可をしないのだろうか

実際の例を紹介する前に、なぜユーザーはこの許可をしてくれないのかを考えてみたいと思います。具体的には二つの理由により、許可とは反対側のボタンを押すことになるのではないかと考えられます。

反射的理由

まずこの許可を求めるポップオーバーは初回起動時に表示されるものです。しかし、アプリケーションをダウンロードしたユーザーは早く利用したいと考えているため、そこに表示されている内容を読まずに「許可しない」ボタンを押してしまうことがあります。
ユーザーはレビューを書きませんかという通知と勘違いしたかもしれませんが、とにかく早くこのポップオーバーを閉じたかったのでしょう。

警戒的理由

二つ目になぜこの許可が必要なのかがわからないというケースがあります。例えばカメラアプリで位置情報の許可を求めることは、開発者に自宅の位置を特定されることに繋がるとユーザーが考えていることがあります(実際に友人に何度か尋ねられたことがあります)。または開発者には特定されずとも、SNSにアップする時にその情報によって特定される不安から許可をしないことが考えられます。
複数の許可が必要な際には、最初のもので警戒して拒否してしまうと、一貫して他の許諾に対しても連打で拒否をすることもあります。

解決方法

上記左は写真加工アプリのCamu、右はInstagramが新しくリリースしたHyperlapseというアプリケーションです。
どちらもアプリケーションの初回起動時にどのようなことができるのかを示すウォークスルーが表示され、その最後のページに許可を求めるための画面が存在します。この許可の説明画面から先に進むアクションを行うと、許可を求めるポップオーバーが表示されます。
許可を求めるポップオーバーが表示されるまでにワンクッション挟むことで、ユーザーは次のタスクに備えることができるため、反射的に「拒否」を押すことは少なくなると考えられます。

この許可をしてもらうための説明を表示するというUIを最初に導入したのが、おそらく上記のCirca Newsだったのではないかと思います。ニュースという性質上、リテンションのための施策として通知が導入されましたが、思いのほか「拒否」を押してしまうユーザーが多かったため、このポップオーバーを導入したのではないかと考えられます。
実際の流れとしてはアプリケーションを起動してポップオーバー式のウォークスルーを終了するとこの画面が表示され、「Next」ボタンを押すとプッシュ通知を許可するためのポップオーバーが表示されます。次の画面の様子をグラフィックで示しているため、ユーザーは許可のポップオーバーに備えることができます。またどのような通知なのかを伝えているため、許諾内容を警戒して拒否をすることも少なくなるでしょう。


まとめ

まだあまり見かけないものですが、このような許可を求めるためのUIが最近になって少しずつ見かけるようになったので紹介してみました。しかし、最初から無理にこの画面を導入する必要はないでしょう。
まずは許可を求める仕組みから検討し、連打による一斉拒否などであれば、段階的に許可を求めるだけでも解決できるかもしれません。例えばカメラ機能も搭載するSNSなどでは初回起動時には通知の許可のみを求め、カメラへの許可はカメラを起動した際に求めるといった具合です。また、そもそも許可を求めることはユーザーの行為を一時中断してしまうことになるため、可能な限り不要な許可は求めないようにしましょう。
しかし、それでも拒否ボタンを押してしまいユーザーからの不満が出ている、またはそもそも許可をしてもらわないと成り立たないサービスなのであれば、今回紹介したようなUIの導入を検討するくらいで良いと思います。
もしあなたのサービスでユーザーへの許可を求める機能があり、間違って拒否を押してしまったという問い合わせなどがあれば、まずは仕組みや必要性を検討するところからはじめてみてはいかがでしょうか。

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